誰も教えてくれなかったこと

脳は、不安と猛獣を区別できません

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モブツヨシ

肝臓ガン発症をきっかけに、定年も人付き合いも関係ない、 外で労働せずに自宅でひっそりと稼ぐ生き方を身につけるために メンターである松田悠玄さん、メンターのメンターであるひまわりさんから 独りひっそりビジネスを学ばせていただいています。

「疲れが抜けない」と思ったことはありませんか

週末にしっかり寝たのに、月曜の朝には元に戻っている。

ちょっとした風邪が長引くようになった。
理由のない肩こりや胃の重さが、
いつのまにか日常になっている。

年齢のせいかな、と思いながら、
もう何年もその状態でいる。

そういう人は、たぶんとても多いのだと思います。
そして多くの場合、こう結論づけてしまいます。

「体力が落ちたんだな」
「自分の根性が足りないんだな」と。

でも、そうではないかもしれません。

体のほうは、ずっと正常に働いています。
正常に働いた結果として、こうなっている
だけなのかもしれない。

 

脳は、不安と猛獣を区別できません

人間の体には「闘争・逃走反応」という古い仕組みがあります。

危険を感じると交感神経が働き、心拍が上がり、
血流が筋肉に集まる。

戦うか逃げるかを、すぐにやるための準備です。
猛獣に出くわしたときのための仕組みなので、よくできています。

問題は、この仕組みが日々の不安と猛獣を区別できないことです。

噛み合わない相手。来月の支払い。
終わりの見えない介護。
検査結果を待つ時間。
親のこと、子どものこと。

どれも噛みついてはきませんが、
体は同じスイッチを入れます。

しかも猛獣と違って、これらは逃げ切って
終わることがありません。

つまり、スイッチが入りっぱなしになります。

短期なら、むしろ悪くない

念のため書いておくと、ストレス反応
そのものは悪者ではありません。

短期的にはむしろ体を守る方向に働きます。
ここぞという場面で集中できるのも、
この仕組みのおかげです。

困るのは、それが何年も続いたときです。

ストレスホルモンであるコルチゾールが高いままだと、
免疫の働きは抑えられる方向に傾きます。

分かりやすい例を挙げると、コルチゾール系の薬である
ステロイドは、免疫を抑える目的で処方されています。

慢性的なストレスが続くというのは、
自分で自分にステロイドを打ち続けているようなもの。

そう考えると、腑に落ちるのではないでしょうか。

体としては筋が通っています。猛獣から逃げている最中に、
のんびり修復作業をしている場合ではない。

ただ、猛獣が一年中いる環境では、その合理性が裏目に出ます。

それは、実験で確かめられています

「ストレスは体に悪い」はふんわりした
通説に聞こえますが、実際に測定されている話です。

心理学者シェルドン・コーエンらの研究が知られています。

健康な人たちに生活上のストレスについて答えてもらい、
そのうえで風邪のウイルスを鼻から投与して経過を見る。

結果は明瞭でした。
ストレスの高かった人ほど、実際に発症する割合が高かったのです。

全員が同じ量のウイルスを浴びています。
外から来るものは同じ。
違うのは、迎え撃つ側のコンディションだけでした。

もちろん、ストレスだけが病気の原因ではありません。
遺伝も、加齢も、偶然もあります。

ただ、そのなかでストレスは、自分で手を出せる数少ないひとつです。

そこがこの話の救いだと思っています。

では、どうするか

やることは地味です。でも、根拠が
積み上がっているのは地味なほうです。

まず、入ってくるもののほうを減らす

ストレス反応は意志では止まりません。

「気にしないでおこう」と決めても、
スイッチを入れているのは自律神経で、
意識ではないからです。

だとしたら、入ってくるもののほうを
減らすしかありません。

これは戦えという話ではありません。
誰かを打ち負かす必要も、波風を立てる必要もない。

仕事なら、異動を願い出る。量を交渉する。
転職の準備を静かに始める。

介護や家のことなら、支援サービスを使う。
役割の一部を誰かに渡す。頻度を少し落とす。

人間関係なら、距離を取る。
返事を急がない。会う回数を減らす。

ひとりで抱えるのをやめる、というだけでも、
体にかかる負荷はずいぶん変わります。

それでも、すぐには動けない人のほうが
多いことも分かっています。

そういうときにできるのは、いまの状況を
「一生続くもの」だと思うのをやめることです。

出口があると知っているだけで、
同じ状況でも負荷は変わります。

心より、体から

気持ちを整えようとするより、体から入るほうが確実です。

睡眠。ここを削ると、他の努力がほぼ帳消しになります。

ゆっくり息を吐くこと。数分でも副交感神経が働きます。

歩くこと。過剰になったストレス反応の出口になります。

そして、ひとりになれる時間。誰にも反応しなくていい時間は、
それ自体が回復になります。

もともとひとりが心地よい人は、その感覚を信じて大丈夫です。
無理に人と会って埋める必要はありません。

薬をやめないでください

ひとつだけ、はっきり書かせてください。

この手の記事を読んで、いま飲んでいる薬を自己判断でやめないでください

症状を抑える治療と、環境を変える取り組み。
どちらかを選ぶものではなく、両方やるものです。

いまの生活に戻るために薬を飲み続けるのが
つらいのだとしたら、変えるべきは薬ではなく、
生活のほうかもしれません。

気になることがあれば、まず検査を。
安心は、根拠があるほど長持ちします。

 

静かに、降りてしまっていい

私たちはどこかで、耐えることに
点数がつくと思ってきました。

長く我慢した人が偉い。
音を上げない人が強い、と。

でも体は、その採点表を知りません。

体が記録しているのは、
どれだけ長く警戒状態に置かれたか
それだけです。

そして耐えた分だけ、いつか静かに請求書が届きます。

だから、降りてしまっていいのです。

宣言することも、誰かを説得することもいりません。

心のなかでそっと、この競争から自分を外す。

それだけで、体に送られる合図は変わり始めます。

 

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